6時25分のバスに乗り、10時過ぎに大阪到着。会場の大阪市立総合生涯学習センターに行くのは5回目であるが、地下街からは行ったことがない。相当な方向音痴で、覚えている建物を直接見ながら歩く必要があるのだ。私の一番のランドマーク、丸ビルを右手に見ながら進むと、左手に第二ビルが見えてくる。その5階に会場がある。午前中の研修から参加することができた。
まずは、文化庁によるオリエンテーション。文化庁の施策に着いての説明があった。今美波町が取り組んでいる「地域日本語教育スタートアップ事業」の位置づけが「生活者としての外国人のための日本語教育事業」から新規の「誰もが学べる日本語推進事業」に変わっているのが驚きだった。人材養成や現職者研修にも新規の事業が上げられ、予算要求額も1.5倍になっている。日本の労働者不足→移民の労働力→移民の増加→日本語教育の需要拡大→日本語教育人材の必要・・・という流れか。
お昼は講師の先生方や事例報告者、文化庁の方と一緒にお弁当をいただきなから、打ち合わせを行った。午後は、18人の参加者が4グループに分かれての研修が始まる。最初に、講師の先生からの説明があり、続いて実践事例報告が3本。①「佐賀県地域日本語教育事業における多文化共生の化学反応」(北御門さん)②「空白地域における地域日本語教室開催~熊本地震後の日本語教室再開を目指して~」(村上さん)③「徳島県美波町における日本語教室開設に向けての取組」(私)佐賀県、熊本市、美波町と対象の地域がだんだんに小さくなっていった。自分の発表の中には、小さな町だからこそできたことも多い。参加者がそれぞれ取組の規模に合わせて生かせることを採り入れてくれたらいいなと思う。「技能実習生の企業への訪問が何回も玄関払いでめげませんでしたか」と尋ねられたとき、とっさに「テレビの中で見ていたサラリーマンとかが玄関払いにされる時の気持ちが分かって、こういうことは普通に起こるんだと思ったからめげなかった」と答えた。実際めげずにスルーしたので、これはある意味「鈍感力」の効能かと今思っている。
事例報告の後は、午後のグループ討議に参加した。昨年度、この場にコーディネーターの1人として参加していたときのことを思い出す。1年が過ぎるのはあっという間だった。美波町に「ハーモニー」ができ、日本語教室があり、今日は無事その事例報告ができたという現状があるのは、文化庁からのアドバイザーの先生方や活動資金のおかげ、徳大をはじめ協力してくれる各機関・団体のおかげ、ハーモニーや地域の人の支援のおかげであると思う。感謝すると共に、スタートアップ事業が終わる(文化庁からの支援が切れる)31年度を念頭に置いてこれからの活動を頑張っていきたい。